今年の『#ハロウィン』Instagram投稿を分析してみた!

Pixial レポート
「#ハロウィン」にみる消費活動の考察

株式会社ジャパン・カレント

2020.10.27

昨年との比較、AIによる画像分析など
今年の「#ハロウィン」
Instagram投稿をPixialにより各種分析を行いました。

1. はじめに

写真共有アプリ「Instagram 注1」は、世界で最も成長しているソーシャルメディアの1つであり、その投稿内容には多くの写真とともに人々の「体験」や「意図」が現れています。当社はこれらの投稿を集合データとして分析し、「人々の行動変容」や「消費活動」の傾向などをレポートとして発信します。本レポートが、各企業や団体の皆様の参考になれば幸いです。

注1:InstagramはFacebook,Incが提供している無料の写真共有アプリケーションです。

2. Instagram上の投稿の主な分類

Instagram上の投稿は、主に以下の4つに分類されます。投稿データには、これらの分類があることを認識した上で分析する事が重要です。

  1. 一般消費者の「体験の共有」投稿
    • 写真と共に「自身の体験」を掲載し、「共感」を得たいと思う投稿
    • 特徴:ハッシュタグやキャプション(コメント)に投稿者の内発的な意図が見えます
  2. 発信力の高い方々による「体験の共有」投稿
    • 「芸能人」や、いわゆる「インスタグラマー」、「ユーチューバー」など、多くのフォロワー(継続的な閲覧者)を持つ「発信力のある」方々による「自身の体験」を掲載した投稿
    • 特徴:投稿に対して閲覧者から多くのコメントが寄せられる傾向があります
  3. 有料広告配信:企業による一般消費者向け有料広告
    • 企業がFacebook社の広告配信機能を介して、有料で特定のセグメントの閲覧者に対して発信される有料広告です。映画の予告編やCMなど、動画での広告が増えています。また、「いいね」や「フォロー」、「コメント記載」を条件に抽選で賞品が当たるような、キャンペーンが行われることもあります。
    • 特徴:閲覧者には「広告」と明示され、キャンペーン以外にコメントがつくことは稀です
  4. 広告宣伝投稿:企業/商業店舗などからの集客発信
    • Facebook社の広告配信機能を介さず、企業がフォロワーに対して直接発信する宣伝記事や、店舗、個人商店などから、一般消費者や地域の方々に向けて発信される宣伝のための投稿です。
    • 特徴:閲覧者の検索に少しでもヒットするように、数多くのハッシュタグをつける傾向にあります

3. 分析対象「#ハロウィン」

今回は、今年9月上旬から10月上旬までの期間に「#(ハッシュタグ)ハロウィン」をつけられた投稿注2を調査し、ハロウィン関連の消費活動の動向や宣伝投稿に関する考察を行います。ハロウィン当日(10月31日)ではなく、2か月前からを分析対象とすることで、一般消費者の本イベントに対する活動開始時期、あるいは一般消費者に対する各企業などの広告宣伝が“イベントのどれくらい前から始まるか”といった活動の起点などを中心に考察します。

注2:Instagram上に投稿され、かつ調査時点で公開(誰もがInstagram上で閲覧できる状態)の投稿のみを対象としています。対象期間に投稿されていた全ての投稿ではありません。

①時系列分析

‘20年9月1日~10月12日における「#ハロウィン」の投稿推移グラフ

‘20年9月1日~10月12日における「#ハロウィン」の投稿推移グラフ

【考察】

ハロウィン(10月31日)の1か月前にあたる10月1日から急激に投稿数が増えており、10月=ハロウィンというイメージが定着している事がうかがえます。その一方で、9月初旬でも1,000件近い投稿がみられ、わりと早くからハロウィンを楽しむ一定の層がいることもわかります。ではこの傾向が今年だけのものかどうかを確認するために、昨年同時期のデータと比較してみます。

‘19年9月1日~10月12日における「#ハロウィン」の投稿数推移グラフ

19年9月1日~10月12日における「#ハロウィン」の投稿数推移グラフ

10月に投稿数が伸びる傾向は一致している一方、昨年の方が総投稿数は約20,000件上回っており、特に9月中の投稿数の伸びが良いことが分かります。では、この違いはどこからくるのか、もう少し詳しく見ていきます。

②関連ハッシュタグ分析

「#ハロウィン」の投稿に、同時に付加されたハッシュタグを分析する事で、ハロウィンに関連性の強い事柄を考察します。こちらも前年同時期のデータと比較して考察します。

関連ハッシュタグ投稿数上位25個(2020年/2019年の9月1日~10月12日)

関連ハッシュタグ投稿数上位25個(2020年/2019年の9月1日~10月12日)

【考察】

昨年上位ハッシュタグの大半を占めていた東西有名テーマパークの関連ハッシュタグが、今年はほとんど見られないことが分かります。例年9月中旬頃から東西有名テーマパークのハロウィンイベントが始まりますが、今年は新型コロナウイルス感染症対策として、入場制限やイベントの縮小などがあり、それが投稿動向にも現れていることが見て取れます。前述した9月中の投稿数の伸びが少なかった大きな要因も、このテーマパーク関連投稿の減少にあると考えられます。一方で、テーマパーク関連に代わって今年は「犬」関連のキーワードが上位に出てきており、これまでのテーマパークのイベント観覧や、自身が仮装するといったことに加え、ハロウィンの新しい楽しみ方として「ペットに仮装をさせる」というジャンルが出現してきていることがわかります。

③投稿画像分析

今年の投稿画像のうち、9月30日(水)と10月1日(木)の画像投稿をAIで分類し、9月になく10月に現れる投稿画像の特徴から10月から新たに始まる事柄などを考察します。

9月30日/10月1日のAIによるクラスタリング結果

9月30日/10月1日のAIによるクラスタリング結果

【考察】

PixialのAI画像分析は、一般的な画像分析技術である「画像に写っているものに対して教師データ(適合率を判定するデータ)を使ってテキスト情報に変換する(例:ラーメン98%)」ということをせず、「大量の画像を画像のまま分析」し、似た特徴をもつ画像群として、人間の目で見てわかるレベルで分類します。両分類を比較したところ、9月30日には見られず、10月1日に新たに出現した画像群としては、「イラスト」「テキスト(広告)」「お菓子」「仮面・マスク」「あつまれどうぶつの森」などがありました(各分類名は、分析者が自身でわかりやすいように画像群をみてからネーミングしています)。
「イラスト」「テキスト(広告)」群は主に店舗や各メーカーのキャンペーン広告、「お菓子」についてもハロウィンをイメージしたお菓子やドーナツ、ケーキなどを購入した様子を投稿しているケースが多く、10月1日を境に各企業から一般消費者に向けたアプローチが開始されることの表れと考えられます。「仮装・マスク」については、今年は特に「マスクを着用することを前提とした仮装」となることが想定されることから、ハロウィン仮装に合わせた市販のマスクや、ハンドメイドマスクなどの投稿が出てきています。

また、ゲームの世界においても10月からハロウィンイベントが始まるなど「10月1日=ハロウィン準備の開始」といったイメージが確実に定着していることがわかります。一方で、9月から投稿がある画像群としては前述の「犬」も含めた「ペット」に加えて、「ネイル」や「植物」、「インテリアグッズ」などがあり、早くから楽しむ層へアプローチすることは差別化要素になる可能性があります。

④他国との比較分析

Pixialで分析対象とするハッシュタグは、外国語にも対応しています。言語圏の広い英語やスペイン語などの場合は特徴的なキーワードの選定が必要ですが、言語圏の比較的狭い言語を指定する事で、地域間の比較も可能となります。

‘20年9月1日~10月4日における「#할로윈(ハングルでハロウィンの意)」の投稿数推移グラフ

‘20年9月1日~10月4日における「#할로윈(ハングルでハロウィンの意)」の投稿数推移グラフ

まずはお隣の韓国での投稿動向です。10月にかけて投稿数は徐々に増えていますが、投稿総数が日本の10%未満です。韓国でもテーマパークなどではハロウィンイベントがあり、ハロウィンを意識したグッズ販売などもあるようですが、現在の日本とは違い、まだまだ一部の方々が楽しむイベントであるように見えます。

ハロウィンは古代ケルト人の祭りが起源と伝えられており、ケルト人の1年の終わりである10月31日の夜は日本のお盆のように死者の霊が家族を訪ねてくると信じられていたそうです。一方で、時期を同じくして恐ろしい精霊や魔女が出てくるため、身を守るために仮面を被り、魔よけの焚火を焚いていたそうです。これらは「サウィン祭」と呼ばれています。11月1日は新しい年の始まりになりますが、日本の元旦とは違い冬の到来を告げる日であり「太陽の季節が終わり、暗闇の季節が始まる」といったイメージだそうです。では、もともとケルト人の国であるアイルランド語ではこの時期どのような投稿があるのか見てみましょう。

‘20年9月1日~10月4日における「#samhain(アイルランド語でサウィン祭の意)」の投稿数推移グラフ

‘20年9月1日~10月4日における「#samhain(アイルランド語でサウィン祭の意)」の投稿数推移グラフ

アイルランド語にも「ハロウィン」を示す「OícheShamhna」という言葉はあるものの、このハッシュタグでの投稿はほとんど見られなかったため、「サウィン祭」を表す「samhain」で調査をしてみました。
総投稿数は韓国同様日本に比べると少ないものの、投稿数に対する「いいね数」や「コメント数」は韓国よりも圧倒的に多く、サウィン祭に対する認知度の高さがうかがわれます。
なお、ハッシュタグ上位には「魔女」や「不気味な季節」、「恐ろしい」といった意味のワードが並び、投稿画像も日本とは大きく違い、本来の意味に沿った「怖いイメージ」を前面に出した投稿が多く見られます。

総括

今回は、日本ですっかり定着しつつある「ハロウィン」イベントについて「前年度比較」や「他国との比較」といった切り口に加え、Pixialの特長でもある「AIによる画像分析」も使って考察してみました。今年の日本では、ハロウィンを犬と楽しむといった新しい消費行動の発見に加え、画像分析を加えることで企業側のアプローチの仕方など、ハッシュタグ分析だけでは見えなかった投稿傾向などを知ることが出来ました。
次回以降も消費者行動を中心に、Pixialを使ってさまざまな切り口で分析したレポートをお届けいたします。